ほーりーの野球日記

ほーりーの野球観察日記

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遊撃手全盛期到来か

  坂本勇人今宮健太、田中広輔、安達了一、これらが恐らく昨年まで日本のショートストップと聞いて名前が思い浮かぶ代表格だろうか。新たに今年、2人の新人内野手が新たに躍動している。中日の京田と、西武の源田だ。2選手はともにルーキーながら、開幕からショートのレギュラーとして好成績を残している。

 彼ら以外にも、楽天では生え抜き日本人選手で球団史上初の2桁本塁打を記録した茂木、日ハムは2年連続全試合出場の中島がチームのレギュラーとして定着し、DeNAの恐怖の9番打者として機能する倉本、阪神で熾烈なレギュラー争いを繰り広げる糸原と北条など、各球団遊撃手の話題には事欠かない。

 そう、日本プロ野球は今、遊撃手全盛期が訪れているのだ(個人的にはそう思う)。その中でも著しい活躍を見せている京田と源田は、遊撃手全盛期の訪れの象徴的な存在である。7月26日には源田が球団記録を更新する26盗塁を記録し、翌27日には京田が福留以来となる新人での100安打を記録した。ともにいまやチームにとっては欠かせない存在となっていることはいうまでもない。

 

◆12球団でもトップを誇る源田の守備貢献度

 ショートというポジションは、やはり堅実且つ華麗な守備が見せ場だろう。ショートは昔から内野の花形であり、スター選手も多い。ただ、守備の達人であることが必須条件だ。その点では、京田と源田ならば、源田のほうが秀でた守備力を持っているといえるかもしれない。

 守備力の総合的な貢献度を示すUZRを見ると、源田は12球団の名だたるショートを抑え、現在1位の15.2を記録している。この数値は、過去二年間のゴールデングラブ賞受賞遊撃手4選手よりも高い(15年のUZRトップはGGを逃した坂本で源田よりも高い)。つまり、源田はルーキーにも関わらず、日本のトップの守備力を持ったショートになる可能性があるということだ。

 

Inn

DPR

RngR

ErrR

UZR

源田壮亮

792 2/3

1.5

15.5

-1.9

15.2

京田陽太

775 2/3

-0.8

-0.4

0.3

-0.9

坂本勇人

786

2.4

6.5

2.2

11.1

安達了一

586 1/3

1.9

-0.2

2.5

4.2

今宮健太

753 1/3

-1.8

2.9

2.9

4.7

中島卓也

576 2/3

-1.6

3.6

-1.5

0.5

茂木栄五郎

478

1.0

-0.7

0.0

0.2

田中広輔

838 1/3

1.0

-3.3

-1.0

-3.4

三木亮

442 1/3

-1.5

-3.8

0.1

-5.2

大引啓次

565 1/3

-1.3

-5.9

0.7

-6.4

倉本寿彦

816

0.5

-8.8

-1.2

-9.4

※7月29日現在(データはDELTA社より)

※用語

Inn…守備イニング

DPR…内野手の併殺完成による貢献

RngR…打球処理による貢献

ErrR…失策抑止による貢献

UZR…守備全般での貢献

 

◆個人打撃は京田のほうが優れているが、チームの勝利貢献度では源田

 打撃部門では、打率とOPSで京田が源田を上回っている。しかし、打点や盗塁、さらには勝利貢献度を示すWARでは源田が京田の倍以上の数値を示している。個人としての打撃能力は京田の方が優れているものの、その打撃能力がチームの勝利にどれだけ貢献できているかという点では、源田のほうが高いということだろうか。

 

打率

本塁打

打点

盗塁

OPS

WAR

源田壮亮

.263

3

33

27

.659

3.6

京田陽太

.287

2

21

16

.685

1.4

坂本勇人

.337

11

48

11

.908

5.6

今宮健太

.284

6

33

10

.752

3.5

田中広輔

.304

3

42

20

.805

3.3

倉本寿彦

.258

1

25

3

.601

-1.4

※7月29日現在で規定打席に到達している遊撃手(データはDELTA社より)

※用語

OPS出塁率長打率。数値が高いほど、打席当たりでチームの得点増に貢献する打撃をしている打者だと判断することができる。

・WAR…様々な指標を総合して、ある選手が走攻守の全てを合わせて、どれだけ勝利に貢献したかを評価するもので、「控えレベルの選手が出場する場合に比べて、どれだけチームの勝利を増やしたか」を表している。

 

◆アマチュア時代、スターだった京田と堅実だった源田

 守備力や勝利貢献率、オールスター出場など、プロの舞台では源田の活躍のほうが半歩ほどリードしている印象を受ける。しかし、源田のアマチュア時代が陰ならば、京田のアマチュア時代が陽だ。

 ともに甲子園出場はなかったものの、源田は大分県の県立高校、京田は青森の名門、青森山田高校で当時からプロ注目の内野手だった。京田はその後大学に進学。日大では1年春からレギュラーとして出場。3年春には一部に復帰、秋にはベストナインに選出。4年時には日米大学野球の日本代表に選出され、秋には25年ぶりとなる東都リーグ制覇を果たした。ドラフトでは源田よりも高評価の2位で指名された。

 源田は愛知大学リーグの名門・愛知学院大学に進学し、4年時には全日本大学選手権を主将・リードオフマンとしてベスト4にチームを導いた。しかし、源田はあえてプロ指導届を出さず、社会人野球への道を進んだ。源田は早くから大学卒業後は社会人へ進むことを決めており、社会人チームが多いという理由で愛知県の大学に進学したとアマチュア時代に語っている。堅実な人生設計の甲斐もあり、ドラフト3位で西武に入団。社会人時代から定評のある守備で、チームでは石毛宏典以来36年ぶりとなる開幕戦新人遊撃手スタメン出場を果たした。

 一年目から活躍する若手の内野手と一言で表現するのは簡単だが、2人のプレースタイルと球歴から考えてみると、私にはこの2選手には別々の将来性を感じた。堅実で献身的なプレースタイルが持ち味の源田は、宮本慎也井端弘和のようなタイプで、派手さがあり打撃能力がある京田は松井稼頭央西岡剛のようなタイプになっていくのかもしれないと、私は勝手に想像した。

 ちなみに、それぞれお手本にしている選手は、源田が小坂誠、京田が荒木雅博だ。源田なら野球ファンの記憶に残るような名手に、京田なら将来2000本安打を打てるような選手になれる日が来るかもしれない。

 今後も、この2人のニューヒーローから目が離せない。

 

出典:「週刊ベースボール」2014年8月25日号、2016年5月16日号、2017年4月24日号、2017年6月26日号

各種データはDELTA社より