ほーりーの野球日記

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茂木は12球団最強先頭打者

  私世代の野球ファンに、「記憶に残る1番打者は?」と聞くと、松井稼頭央と返ってくることが多い。02年には打率.332、36本塁打、33盗塁で史上8人目、両打ちでは初のトリプルスリーを達成した。打率と193安打はキャリアハイで、最多安打のタイトルも獲得。西武の4年ぶりのリーグ優勝の原動力となった。52年ぶりに更新したシーズン88長打は現在もプロ野球記録だ。

 そんな松井稼頭央に並ぶ一番打者になるのではないかと期待がかかる打者が、楽天の茂木栄五郎だ。8月9日、今季6本目となる先頭打者本塁打を放ったが、その一打で02年の松井に並ぶ、初回先頭打者初球本塁打シーズン3本のパ・リーグタイ記録を達成した。今季2年目の茂木は球団生え抜きでは初となる2桁本塁打を記録するなど、ここまで優勝争いを繰り広げる楽天にとって、欠かせない存在となった。

 そんな茂木が松井稼頭央に並ぶ打者となりえる理由は、1番打者として残している高い成績にある。これを見れば、茂木の1番打者としていかに優れているかがわかる。そして、茂木が現役最強のリードオフマンになりえる可能性を秘めていることも同時にわかることだろう。

 

◆今年、リードオフマンとして活躍している選手は6人

 まず、8月11日時点で各球団どの打者が最も多く1番打者を務めているのかを見てみる。すると、以下の通りになる。太字にしている選手は、チームの全試合数のうち半試合以上に1番として出場し、且つ、規定打席に到達している選手を示す。

 

ソフトバンク 川﨑(34試合/103試合)

楽天     茂木(64試合/95試合)

西武     秋山(85試合/101試合)

オリックス  宮崎(25試合/100試合)

日ハム    西川(83試合/99試合)

ロッテ    荻野(28試合/100試合)

広島     田中(105試合/105試合)

阪神     高山(46試合/101試合)

横浜     桑原(102試合/102試合)

巨人     長野(38試合/103試合)

中日     京田(75試合/105試合)

ヤクルト   坂口(64試合/104試合)

 

 それによると、茂木を含む6選手が、いわゆるリードオフマンを務めている。ここでは茂木との比較対象選手を西武・秋山、日ハム・西川、広島・田中、横浜・桑原、ヤクルト・坂口とする。

 6選手の今季の打撃成績が以下の通りとなる。こうしてみると、秋山が突出した成績を残していることがわかる。打率、本塁打、打点、出塁率、得点の5部門でトップだ。さすが、シーズン最多安打記録保持者といったところである。

 

 

打率

本塁打

打点

盗塁

出塁率

得点

長打率

茂木

.303

15

40

.377

49

.551

秋山

.335

20

65

12

.423

83

.568

西川

.298

24

27

.373

59

.398

田中

.294

44

24

.391

76

.391

桑原

.276

12

40

.349

68

.349

京田

.278

27

19

.310

50

.310

坂口

.278

30

.357

39

.357

 

◆初回先頭打者として迎える打者としてもっとも脅威なのは茂木

 ところが、リードオフマンとしての本領を発揮する場面での成績を見たらどうだろうか。6選手のうち、1番打者としての第一打席だけの成績だけを見てみる。すると、以下の通りになる。

 

 

打率

本塁打

出塁率

長打率

先頭打者能力指数

茂木

.315(3)

6(1)

.390(2)

.719(1)

秋山

.270(7)

4(3)

.364(5)

.459(3)

18

西川

.280(6)

0(7)

.349(6)

.400(6)

25

田中

.347(2)

0(7)

.428(1)

.410(5)

15

桑原

.319(4)

4(3)

.372(4)

.521(2)

13

京田

.356(1)

0(7)

.373(3)

.438(4)

15

坂口

.288(5)

0(7)

.343(7)

.338(7)

26

 

 こうしてみると、秋山が通算成績ほどの実力を発揮できていないことがわかる。一方茂木は、打率、出塁率長打率で通算成績を上回っており、本塁打数15に対し、6本を初回先頭打者として記録している。これだけでも茂木のリードオフマンとしての能力の高さがわかるが、現役最強のリードオフマンという理由はこれだけではない。

 6選手のそれぞれの成績を順位として表してみる。各部門の順位に応じた数字を得点化し、4部門の合計点数が最小の選手が、最も優れたリードオフマンということにする。グラフ内の括弧内が順位=ポイントを示し、その合計を、先頭打者としての総合的な能力を表す「先頭打者能力指数」とする。

 その結果、茂木が「7」と、一人だけ1桁台を記録したのだ。特に、今季最多数の初回先頭打者本塁打を記録していることもあり、長打率も高い。ここまで攻撃型の1番打者というのは投手から見て脅威だろう。

 

◆盗塁数は少ないが、走塁能力は高い

 ただ、通算成績を見てもわかる通り、盗塁数に1番打者としての課題があると思われる。しかし、走塁技術が低いわけではない。

 1年目だった16年シーズンは11盗塁と決して多い盗塁数ではなかったが、12球団最小の56盗塁というチーム状況の中では目を見張るものがある。同年8月25日、9月19日にはランニングホームランを記録し、2リーグ制後でシーズン2本のランニング本塁打は92年巨人の川相昌弘以来13人目(14度目)で、新人では茂木が初めてだった。さらに、同年では三塁打も7本マークし、オリックスの西野と並びリーグ最多タイを記録した。つまり、盗塁数が少ないだけで、走塁能力は高いのだ。チームの方針次第では、茂木の走塁能力も成績として現れることだろう。

 

 現在日本プロ野球には坂本を筆頭に、多くのスターショートが活躍している。ネームバリューでは坂本が圧倒的で、源田や京田といったニューヒーローも誕生するなど、前々回に書いた通り、ショートのスター選手は多い。

 その中でも茂木は突出した打撃力を持つショートであり、それが、次世代の松井稼頭央になりえる可能性があると私が考える理由だ。

 いまは肘の怪我もあり、慣れないDHでの出場が続いているが、一日も早く状態を回復してもらって、グラウンドで躍動する茂木のプレーを見せてもらいたい。