ほーりーの野球日記

ほーりーの野球観察日記

自分の観方で野球を紹介します

ベストナイン一塁手部門

 バッテリーの選出を終え、ここからは内外野に話を移す。

 ここからの対象選手については、規定打席に到達した全55選手の中から、先に選出を終えた捕手部門の2選手(小林、中村)と、後ほど選出する指名打者部門の3選手(デスパイネ、アマダー、中島)を除く50選手とする。それぞれの出場試合数のうち最も多くついたポジションをその選手の正位置とみなし、それぞれの選出部門の対象選手とする。

 なお、一塁で27試合、中堅手で27試合、左翼手で26試合の阪神の中谷は、守備イニング数が288回で最多だった左翼手、つまり外野手として考える。また、銀次は先発出場では80試合で二塁のほうが多いが、次いで60試合で一塁が多く、さらに後半イニングでの守備変更などで一塁に回る場面が多いことから、守備イニング数は一塁が660 1/3、二塁が591 2/3と一塁の方が多く、ここでは一塁を本職とし、一塁手部門での対象選手とする。

 以下に、50選手の内訳をまとめる。

 

表1 内外野対象選手内訳

内野手

一塁手

二塁手

三塁手

遊撃手

外野手

25

50

※捕手2選手、指名打者3選手は除く

 

 また、二塁手と遊撃手の項目で後述するが、この2つのポジションの選手選考については守備力を重視した選考を試みる。選手の守備能力を示す指標のひとつに「UZR」があるが、こちらはあくまで同じ守備位置の選手の中での比較であるため、異なる守備位置の選手との比較に不向きという特徴がある。たとえば、一塁手と遊撃手でUZRが同じ10を記録した場合、どちらが守備能力に優れた選手だと思われるだろうか。数字の上では同じでも、おそらく多くの方は遊撃手のほうが優れていると直感的に感じるのではないだろうか。こうしたポジションごとの守備力の誤差を補正するために用いられるのが「守備位置補正」という概念だ。DELTA社による2015年に更新された守備位置補正によると、一塁手の守備位置補正は-11.6、遊撃手は5.0だ。同じ10のUZRでも、全体的にみると一塁手のUZRは-1.6で、遊撃手は15.0となる。このように、ポジションごとの誤差を補正し、限りなく同じ条件に近い状態で守備力を図ることができる。

 また、DELTA社により更新された守備位置補正によると、二塁手が7.3、遊撃手が5.0と、投手、捕手、指名打者を除くふたつのポジションだけがプラスとなり、ほかの野手に比べ守備力の重要性がより高いポジションだということがわかる。そのため、二塁手と遊撃手に関しては打力よりもやや守備力を重視した選考を試みる。そのほかのポジションについては、打力が基本的な選考基準となるが、万が一同等の能力や甲乙つけがたい結果が得られた場合、最後の判断指標として守備力のより高い選手を選出するという方法をとる。

 

表2 守備位置補正表

 

補正値

一塁手

-11.6

二塁手

7.3

三塁手

-5.1

遊撃手

5.0

左翼手

-8.4

中堅手

-0.5

右翼手

-4.1

 

◆自己ベストを更新する活躍を見せたロペスをベストナインに選出

 一塁手ベストナインはDeNAのロペスだ。シーズン後半は4番を務め、自己最多の104打点をあげ、自身初の打撃タイトルとなる打点王に輝いた。阪神、広島とのクライマックスシリーズでは、8試合で33打数11安打、1本塁打、7打点の活躍でチームを19年振りの日本シリーズに導き、ファーストステージ、ファイナルステージでMVPに輝いた。

 規定打席に到達したロペス、阿部、中田、銀次の4人の一塁手の打撃成績においても最も優れた成績を収めたがロペスは基本打撃成績だけでなく、OPS、wRC、wOBA、さらには長打率から単打を除外する形で示す長打率「ISO」でも一線を画す。特に、ISOにおいては全体6位と一塁手部門にとどまらない好成績を残し、また、wRCは34本塁打を記録した昨シーズンよりも高い90.4、wOBAも自己ベストに並ぶ.382と、名実ともに自己最高成績を記録するシーズンとなった。また、

 

表3 一塁手3選手の打撃成績

 

OPS

wRC

wOBA

ISO

ロペス

.863

90.4

.382

.232

阿部 慎之助

.718

50.2

.319

.127

中田 翔

.676

52.4

.310

.150

銀次

.728

69.8

.337

.074

 

◆勝負強さの光る銀次、劇場型の阿部

 勝負強さにおいて、興味深い結果が得られた。

 ロペス、阿部、中田、銀次の得点圏打率はそれぞれ.322、.309、.195、.369と銀次がトップで、さらに、重要場面(たとえば「8回表、2対3で負けている2死二、三塁の場面はどれだけ重要か?」といったような)での勝負強さを示す「Clutch」をみると、-2.29、0.20、0.12、2.14とこちらも銀次がトップだった。ちなみに銀次は全選手の中でも最高で、ロペスはワースト2位だった。

 勝負強さでの活躍は阿部も健在だった。得点圏時の成績でも、ビハインド時と同点時、つまり通常の得点圏打率からダメ押し打を差し引いた得点圏打率を見ると.266、.333、.200、.324と阿部がトップで、勝利打点もそれぞれ10、13、10、6と阿部がトップで、なおかつ全選手中で5位タイの好成績だった。「サヨナラ慎ちゃん」と言わしめた全盛期ほどの活躍を期待するのは酷なことかもしれないが、はやり阿部の勝負強さには目を見張るものがある。

 

表4 一塁手3選手の勝負強さ

 

Clutch

得点圏打率

ビハインド&同点時

決勝打

ロペス

-2.29

.322

.266

10

阿部 慎之助

0.20

.309

.333

13

中田 翔

0.12

.195

.200

10

銀次

2.14

.369

.324