ほーりーの野球日記

ほーりーの野球観察日記

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ベストナイン外野手部門

  レフト、センター、ライト、3つのポジションがある外野手の対象選手は25選手だ。無論、ほかのどのポジションよりも多い。一言で外野手といってもそれぞれの持ち味や武器は違うため、これまでのポジション以上に、多角的な視点による選出を心掛けなければならない。

 ここでは、打撃力、守備力、走塁力の3つの視点からベストナインを選びたいと思う。打撃力はこれまで通りの3項目、守備力は外野手の送球による貢献を示す「ARM」を追加する。初めて触れる走塁力については、盗塁によって「平均的な走者と比較してどれだけチームに貢献できたかを示す「wSB」と、盗塁を除く走塁によって平均的な走者と比較して何得点相当チームに貢献したかを示す「UBR」の合計で表し、総合的な走塁能力を示す「BsR」、盗塁成功率、盗塁企図の頻度、三塁打の多さ、得点の多さをポイントに変換して平均算出される足の速さを示す「Spd」の2項目を採用する。打力、守備、走塁のそれぞれの能力の偏差値から、もっとも優れた3選手を選出したいと思う。

 

◆打力ナンバーワン・柳田の課題はミート力

 打力ナンバーワン外野手は、ソフトバンクの柳田だ。四球率はトップ、それもあり出塁率は12球団4割越えた。長打率もトップで、したがってOPSも全球団でトップだ。一時は三冠王を射程圏内にとらえる活躍を見せていただけに、後半戦の故障による離脱が悔やまれる。次の表で、今シーズンの外野手の打撃成績上位3選手を示す。打力偏差値71.47は外野手だけでなく、全選手の中でトップだ。

 

表1 外野手の打撃上位3選手

 

OPS

WRC

wOBA

打力偏差値平均

柳田 悠岐

1.016

109.0

0.435

71.47

秋山 翔吾

.933

116.1

0.409

67.02

丸 佳浩

.903

106.7

0.400

63.38

 

 ただ、課題があるとすればそれは三振数にあるかもしれない。三振数は123で全体ワースト7位、三振率は22.3%でワースト5位、長打も打てて四球を選べる能力を備えている一方で、この結果は改善の余地が十分にあるだろう。ストライクゾーンに来た投球に対するスイング率は78.5%と積極的に打ちにはいくのだが、ストライクのコンタクト率はワースト4位の79.8%、空振り率はワースト6位の13.3%と低い。ただ、それもフルスイングが持ち味の副産物かもしれない。

 

◆新たな守備職人・桑原、意外性のある大田

 守備力に長けた外野手を選定した結果、新たな守備職人や意外性のある選手が登場した。1位は、今シーズンゴールデングラブ賞を受賞したDeNAの桑原だ。捕殺数では広島・鈴木、ソフトバンク・上林の10がトップで、桑原は10位タイの4と多くはなかったが、走者の進塁を送球により抑制した貢献度を示すARMでは外野手の中で1位の6.1、守備貢献を示すUZRも17.7で1位だった。守備寄与率も3位タイ、打球処理貢献も4位と、守備全般で高い成績を残した。

 意外だったのは、2位の大田泰示だ。ARMは桑原に次ぐ2位、UZRは桑原、丸に次ぐ3位となっている。高校通算65本塁打を放ちドラフト1位で巨人に入団し、今シーズンから日ハムに移籍した大田だが、初の規定打席到達と15本塁打でブレイクした一方で、守備でも存在感をアピールした。

 ひとつ興味深かったのが、ゴールデングラブ賞した柳田の守備力が48.75と意外と低かったことだ。守備率は高いものの、打球処理をはじめとした全体的な守備貢献度がマイナスを記録するなど、平均を下回る成績に終わった。柳田は、レギュラーに定着した2014年から今シーズンまで毎年RngRとUZRがマイナスを記録しており、改善が一向に見られない。これまで超人的な打力を見せてきた柳田だが、さらなる飛躍をはかるには守備力の改善が急務だ。

 

表2 外野手の守備上位3選手

 

守備率

ARM

RngR

ErrR

RF

UZR

守備力偏差値平均

桑原

0.990

6.1

11.4

0.2

2.09

17.7

62.07

大田

0.995

5.8

5.9

0.3

2.05

12.1

60.52

0.993

2.4

14.5

0.2

1.93

17.1

59.78

 

◆ナンバーワンの俊足・西川、ナンバーワンの走塁名人・外崎

 打力、守備ときたら次は走力だ。今シーズン、39盗塁で2度目の盗塁王を獲得した西川は、10盗塁以上を記録した選手を対象として選手での盗塁成功率でも1位となる.886の好記録だった。それもあり、盗塁成功率や三塁打、得点割合などで示されるスピードスコアという足の速さを示す指標では1位の7.0を記録した。外野手の中ではナンバーワンの俊足といっても過言ではないだろう。

 ただ、総合的な走塁能力を示すBsRでは丸、梶谷、外崎が西川よりも上位に立った。中でも2位の外崎は、BsRだけでなく、盗塁数、盗塁成功率、スピードスコアでも2位と、万能ぶりを発揮した。西川が外野手ナンバーワンの俊足の持ち主だとすると、総合的にみると外崎は外野手ナンバーワンの走塁名人ということになる。

 

表3 外野手の走塁上位3選手

 

盗塁

盗塁成功率

BsR

Spd

走塁偏差値平均

外崎 修汰

23

0.885

7.4

6.6

68.42

西川 遥輝

39

0.886

6.4

7.0

68.24

梶谷 隆幸

21

0.875

7.1

21

65.34

 

◆丸、秋山、柳田がベストナインで、中でも丸が走攻守すべてにおいてトップクラス

 ここまで見てきた打力、守備力、走塁の全11項目の偏差値を平均したとき、その数値が高い選手の上位3選手が、外野手部門のベストナインだ。結果は、丸、秋山、柳田の3選手だ。図らずとも、打力上位3選手と同じ顔並びになってしまったが、丸は守備で3位、走塁ではトップ3は逃したが高水準の成績を残した。これまで打撃、守備、走塁ごとにそれぞれ着目すべき項目を偏差値で示してきたが、丸はその合計値が外野手で最高値を示した。2015年に216安打で日本記録を樹立した秋山は、首位打者最多安打を獲得するとともに、打点と本塁打でも自己ベストを大きく更新した。それもあり、長打率も4位の好記録を残した。打順では1番を打つことが多かったにも関わらず、得点創出を示すRCが123.31とトップの数値を収めた。柳田は、先にも述べたが、守備力に課題が見られたものの、それを凌ぐ驚異的な打力が決めてとなり、トップ3入りを果たした。打席あたりの得点貢献度を示すwOBAが.435と、ほかの打者よりも頭一つ抜け出した数値を示しており、途中けがで離脱する時期もあったが、MVP級の活躍を見せた。

 

表4 丸、秋山、柳田の能力偏差値

 

打力偏差値平均

守備偏差値平均

走塁偏差値平均

丸 佳浩

63.38

59.78

63.93

秋山 翔吾

67.02

53.29

58.82

柳田 悠岐

71.47

48.75

55.07