ほーりーの野球日記

ほーりーの野球観察日記

自分の観方で野球を紹介します

ベストオーダーを組んでみた

 独自ベストナインと本家ベストナインの答え合わせをしていると、これまでの成果をここで終わらせてしまうことをなんだか無性に惜しく感じる。そもそも、今回の独自ベストナインは毎年受賞者の予想を楽しみにしているその延長線での試みであったのだが、受賞者の正誤を一喜一憂して確認していると、まだまだ遊び足りないという欲が出てきてしまう。なので、もはや蛇足ではあるが、今回選出した野手9選手で、ベストオーダーを組んでみたいと思う。

 

◆最も重要なのは1・2・4番

 参考にするのは、ベースボール専門メディア「Full-Count」に掲載されているコラム記事だ。数理モデルを用いた演繹的アプローチにより、打順のどこに高い重要性があるのかが示されている。そこで書かれている要点をまとめると、以下の通りになる。

○最も重要[1・2・4番]

○次に重要[3・5番]

○重要度はあまり高くない[6・7・8・9番]

 打席に入ったときの平均的な走者数・アウトカウントを考慮し、強打者を上位に置き打席を多く回すように打順を組むと、上記のような打順が理想的であるという。なお、最重要の1・2・4番では1・2番が出塁力のある選手、且つ2番は併殺を避けるために走力がある選手、4番が長打力のある選手で固める。意外だったのは3番で、こちらは2アウトで打席に入ることが多いため、そこに好打者を置いても得点を望みづらいという。

 

◆1番打者…出塁力と生還力

 上記をふまえ、打順を考える。まずは最重要の1、2、4番からだ。チームで強打者3選手をまずは選ぶのだが、9選手のうちOPSがトップの3選手、つまり柳田、秋山、丸をここではいずれかの打順に当てはめていきたい。

 1番候補となる選手の条件に①チームで少なくとも3番以内に入る強打者、②出塁率が高いということがあったが、この2つにさらに得点÷出塁率で表される生還率と出塁数を足した出塁得点力を加える。なお、出塁得点力は小野俊哉著『プロ野球最強のベストナイン』を参考にしたもので、小野はこれを「OPR」と命名している。しかし、単純にOPS+OPRの合計値で1番打者に最適な選手を選ぶと、出塁率を二度加算することになり、出塁率が高い選手が優位となるため、ここでは長打率出塁率+生還率で示したい。

 この3選手の中で1番打者としての最も理想的なのは、柳田だ。16.2という高い四球率もあり、3選手の中で最も高い出塁率.426を記録し、さらに生還率も.451と最高で、2つの条件を十二分に満たしている。また、出塁率は秋山と同率でも、109得点という好成績もあり、生還率の差で次点は丸となる。ここではまだどちらかを1番に固定するのではなく、柳田が◎、丸が〇という程度にのみ1番打者の可能性を示して、2番以降の適任選手を見ていくことにする。

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◆2番打者…出塁力と走塁能力

 引き続き、柳田、秋山、丸の3選手の中から、今度は2番打者の選定に移る。

 2番打者は1番打者と同様に長打率よりも出塁率重視、且つ足の速さに注目してみていく。なお、足の速さとは併殺を避けるための評価基準であるが、一塁到達タイムのオープンデータがなかったため、ここでは「ベストナイン外野手部門」で採用した総合的な走塁能力を示すBsRとSpd、そして盗塁成功率がより高い選手を「足の速い選手」とみなす。

 すると以下の通り、丸に最も2番打者としての適正がみられた。2013年には29盗塁で盗塁王のタイトルを獲得した丸が、今シーズン盗塁数は13個にとどまったが、盗塁失敗数はレギュラー定着後最小の3しかなかったこともあり、高い盗塁成功率を残すことができた。BsRでは柳田と秋山と大きく差をつけるなど、この3選手の中ではとりわけ走塁能力が高い選手といえるだろう。

 ほか、柳田と僅差ではあるが、秋山が次点につけている。ここでは丸が◎、秋山が〇ということで、2番打者の選定を一旦終えることにする。

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◆4番打者…長打力と得点創出力

 4番打者は1、2番よりも長打力を重視するため、長打率とISOに着目し、さらに、打者が創出した得点数を表すRCを加えたい。これにより、長打を打てる力と実際に打点を創出する力の観点から4番打者の適正を判断する。

 すると、長打率もあることながらISOも抜きんでている柳田が、1番打者に続いて4番打者でも最も適正があるという結果となった。1番打者で見た出塁率長打率生還率の総計と、4番打者で見た出塁率長打率、ISOの総計を、それぞれの次点である丸と秋山とどれくらの差があるかを見てみると、若干ではあるが4番として想定した時の方がその差が大きいことから、柳田を4番打者として据える方が打線としては機能するのではないかと思われた。

 しかし、得点創出能力のRCをみると、柳田よりも次点の秋山の方が高いことがわかる。この一点のみで秋山が柳田よりも優秀というわけではないが、少なくとも4番打者として両選手を据えたとき、秋山の方がより多くの打点を稼ぐ可能性が示唆されている。ここでは4番打者の選択肢を秋山にも残し、最後に柳田、秋山、丸の3選手を1、2、4番のどの打順に据えることがベストなのかを考えていく。

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◆1番・柳田、2番・丸、4番・秋山がベストオーダー

 いよいよ、柳田、秋山、丸の打順決めに入る。ここまでの適正を振り返ると、1番打者は柳田◎、丸〇、2番打者は丸◎、秋山〇、4番打者は柳田◎、秋山〇という評価だった。以下、そこから考えられる打順構成を3パターン並べる。

 いずれも魅力的な打順構成であることは間違いが、どれがベストな構成なのかということは、この3パターンにそれぞれ先ほど示した適正を当てはめたうえで検証していきたい。

パターン①は秋山がネックとなる。現実には、秋山が1番打者を務めても誰しも気持ちの上では納得のいく打順だとは思う。しかし、1番・秋山がベストかと言われれば、少なくとも丸を1番に据えたほうがベストな打順に近くなる。パターン②はこの3つの中では最も見栄えは良い。監督なら誰しも一度は試してみたくなる4番・柳田を実現させながら、1、2番も適任選手を据えることができている。だが、4番に秋山を据えたパターン③は、大穴かもしれないが、パターン②よりもベストな形を実現させている。長打力あり、得点創出能力ありの秋山は、柳田ほどではないにしろ、4番を打っても不思議ではない。もし秋山を4番に据えることができれば、1番・柳田の出塁力と生還力、2番・丸の走塁力が十二分に機能する。よって、ここではパターン③を採用とする。

 今回はベストナイン外野手が全てそれぞれのチームでセンターを守る選手から選ばれてしまった。ベストオーダーを決めるということはポジションも決めなければならない。先のベストナイン外野手部門を振り返ると、守備ランクは丸、秋山、柳田の順となる。ここでは最も守備力の高い丸をセンター、次に守備力の高い秋山をライト、そしてレフトに柳田を置くことにする。

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◆3番打者…本塁打率が高く、三振や併殺が少ない選手

 打線の核が決まったところで、この3選手を中心に周りを固めていく。

 3番打者の役割とは一体何だろう。それを考えるヒントは、先に紹介した理論の中で紹介されている。それによると、3番打者は得点の見込みが低い2アウトで回ってくることが多く、そこでヒットを打ってもそこから得点を積み重ねるのが難しいという。私はこのように解釈した。それならヒットを量産できる好打者よりも、一打で一点が約束された本塁打を打てる打者なら、得点を見込める可能性が少しでも増えるのではないだろうかと。

 また、1、2番と4番の間に立つ3番打者は、言い換えると、強打者と強打者の関節のようなものだ。人体の構造で考えてみると、関節が機能しなければ手足を満足に動かくことはできないし、上部と下部の連携を円滑に進めることが難しい。つまり、上位の強打者が作った得点機会をできる限り損なうことなく、さらに次の強打者に回すことが必要となる。

 これらの点から私が考える3番打者として適正のある選手とは、①本塁打率が高く、②三振や併殺が少ない選手ということになる。これらをふまえ、最適な3番打者を選定していく。

 残りの選手で本塁打率が高い選手は、35本塁打パ・リーグ本塁打王を獲得した13.66のデスパイネと、チームトップの30本塁打を記録した18.97のロペスだ。この2選手で三振率をみると、ロペスが13.2なのに対し、デスパイネは21.8とワーストだ。なお、9.0と最も三振率が低い宮崎は、本塁打率が32.00で6選手中4位と振るわなかった。さらに、併殺率をみると宮崎は全選手中最多の23併殺を記録したこともあり、約20打席に1度の併殺とワーストとなった。デスパイネも34.14と6選手中3位と悪くないのだが、ロペスは40.64と最も併殺が少なかった。

 以上のことから、本塁打率が高く、三振率と併殺率が少ないロペスが3番打者として最適な選手であろう。

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◆5番打者…長打力重視

 続いて5番打者の選定だ。こちらは長打率重視で、4番打者と類似した打撃傾向を持つ選手を選出したいと思う。4番打者はチームで少なくとも3番以内に好打者に入る選手という条件があり、出塁率を含めたOPSをその基準としたが、5番打者に関してはあくまでも長打力のみを基準とした選出方法を採用したため、出塁率を除外した。

 すると、長打力の高さが際立ったデスパイネが5番打者として最適なように思われる。デスパイネのISOは.251と、今回のベストナイン選出野手の中で2位、全体でみても4位と優秀だった。来日以来最多の35本塁打で初の本塁打王を獲得したキューバの至宝が、今回のベストナインでもクリンアップの一角を担う。

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◆6番打者以降は打力順、但し9番打者は出塁率の高い打者

 6番以降、打順は下位に回っていく。これ以降の打順は、残りの打者で打力が優れている順に並べていくが、9番打者に関しては一考の必要がある。

 初回は無条件で無死無走者の場面で打席に入る1番打者だが、二巡目以降はあらゆる場面で打順が回ってくる。今回のオーダー構成上、1番打者にはチームでもトップクラスの打力を持つ選手を据えているため、二巡目以降は1番打者にもポイントゲッターとして機能してもらうべく、その前を打つ9番打者には出塁率の高い打者を置きたいと考える(この考えは「投手を8番に置くか9番におくか」という議論に近いかもしれない)。そのため、今回の下位打線の決め方は、残りの選手の中から打力の最も高い選手を6番に置き、さらにその残った選手の中から出塁率の高い打者を9番に置き、残りの2選手で7、8番を埋めていくという方法にする。

 このような理論で6番打者を考えると、今シーズン、セ・リーグ首位打者を獲得し、残りの選手の中で最も高いOPSを残した宮崎据えるのが最も自然だろう。さらに、残った3選手の出塁率を見ると坂本が最も高く、この2選手で6、9番打者を固めたい。残りの7、8番は山田と中村で埋めることになるが、中村よりも打力に優れた山田を7番としたい。

 

◆ベストオーダーの完成

 開幕当初話題になった「2番・ペゲーロ」、3位DeNA下剋上を支えた「9番・倉本」、日本シリーズで大活躍をみせた「1番・柳田」など、打順は監督やチームごとに千差万別で、議論の余地が多分にある分野だ。来シーズンもスタメンや打順、それも枕詞に「奇策」や「恐怖」などがつけばなお面白い。

 以下に、今回選出したベストナインのオーダーをまとめておく。誰か、オリジナルチームを作れる野球ゲームかなにかで、このオーダーを使ったコンピューター操作のペナントレースを試して、その結果を教えてください。

 

1番 柳田悠岐  LF

2番 丸佳浩   CF

3番 ロペス   1B

4番 秋山翔吾  RF

5番 デスパイネ DH

6番 宮崎敏郎  3B

7番 山田哲人  2B

8番 中村悠平  C

9番 坂本勇人  SS