ほーりーの野球日記

ほーりーの野球観察日記

自分の観方で野球を紹介します

最優良助っ人外国人打者

  ペナントレースの全日程を終え、次々と契約更改のニュースが届く。ブレイクを果たし何倍もの年俸で更改し麗らかな春を待つ若手選手、全盛期のようなパフォーマンスを発揮できずに寂しい冬を送るベテラン選手、それぞれが今年の成績を金額で評価されるという点では、プロ野球選手も私たちと同じサラリーマンなのだなぁと思わされる。

 外国人選手も例外ではない。異国の地で「助っ人」という立場でプレーする彼らにとってはその一年の重みが変わってくるし、球団側もコストに見合った活躍を求める。その意味では、日本人選手よりもシビアな評価を受けざるを得ないのかもしれない。

 そこで今回は、300打席以上に立った14人の助っ人外国人打者を年俸という観点から評価し、それぞれの今シーズンの成績が年俸と比較してコスパが高かったのか、あるいは低かったのかを見ていく。これにより、今シーズンの助っ人外国人打者の成績をおさらいするとともに、少し違った助っ人外国人選手の見方を提供できれば幸いである。

 

◆打撃成績のコスパが高かったのは、楽天のアマダー

 一般的に、選手のコスパを知る手がかりとして、年俸を塁打数で割ることで、一塁打あたりいくらの金額がかかっているのかを知るという方法がある。それによって暫定的に算出されたコスパの高い選手は以下の通り、楽天のアマダーということになる。

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 来日一年目のオープン戦での怪我により39試合の出場だった昨シーズンのこともあり、今シーズンは助っ人外国人打者にしては低額な3000万円という年俸からのスタートとなったアマダーだったが、23本塁打を含む177塁打を記録し、楽天クライマックスシリーズの進出に貢献した。一塁打あたり約169万円と、年俸5億円ながら怪我で158塁打に留まったメヒアの約19分の1の金額に収まった。しかし、今シーズンは前述したとおりの活躍を見せ、来シーズンの契約延長、年俸は倍増の6000万円でサインした。

 アマダーほか、コスパの高かった選手はペゲーロの約374万円、ウィーラーの375万円と、同じく楽天の選手で上位を占めた。両選手はそれぞれ26本塁打、31本塁打と、アマダーとともに史上初の助っ人外国人選手による20トリオを結成する活躍をみせた。年俸もそれぞれ先の契約更改で2億円に達し、来シーズンは20発トリオに更なる期待がかかる。

 

◆助っ人外国人選手の期待度と貢献度

 しかし、「助っ人」というからには、その選手の活躍がチームの勝利につながっていないと、本当の意味で「助っ人」と呼ぶには忍びない。そこで試みるのが、チーム内での活躍度が年俸とどのように関係しているかを見る「年俸・得点創出比」という観点だ。ある選手がチームの全選手の年俸の何割を占めているかというのがその選手に対する期待度の高さを表すとした場合、実際にどれほどチームに貢献しその期待度を充足させているのか、それを見ていくことにする。

 ここでいう「期待度」とは「個人年俸/チーム総年俸」のことであり、「貢献度」とは「個人RC/チーム総得点」である。たとえば、総年俸が10億円のチームに所属する助っ人外国人選手の年俸が1億円だったとしたら、その選手の期待度は10%であり、そのチームの総得点が1000点でその選手のRCが100だったとしたら、その選手の貢献度は10%である。それぞれの差はプラスマイナスゼロであり、つまりその選手は期待度と同等の貢献度を示したことになる。もし貢献度が期待度を上回ればコスパがその分だけコスパが高く、下回れば低いことを意味する。もちろん、場面の重要度や試合以外での役割など、選手の評価対象は多岐にわたるのだが、ここでは勝利=得点の上積みと設定し、得点創出能力を示すRCを基準とすることで簡易的にコスパを評価する。

 

コスパ最良選手は、マギー

 それを表したのが、次の表だ。先ほどの楽天の20発トリオを見ると、どの選手も期待度を上回る活躍を示していることがわかる。アマダーは元々の期待値が高くなかったこともあり一塁打あたりのコスパは高かったが、期待度と貢献度の差でみればウィーラーのほうが高いコスパを残した選手として評価できるかもしれない。

 ロペス、バレンティン、レアードの3選手は期待度と貢献度の差が少なく、ほぼ期待通りの活躍をしているといえるかもしれない。最多安打打点王のタイトルを獲得し、ベストナインゴールデングラブ賞にも選ばれたロペスの年俸は推定2億3000万円であるが、ロペス自身にも球団にとっても円満な契約を交わせていることを表しているかもしれない。

 バレンティン、レアードは今シーズン、それぞれの所属チームが下位に低迷したが、それでもチームの求める期待度には達しており、助っ人外国人選手として最低限の仕事は果たせた。しかし、2年契約だったレアードは年俸が変わらない一方で、バレンティンは3000万円のマイナスとなる3億3000万円で更新した。もしかすると今頃、レアードは今シーズンの成績を振り返って冷や汗をかいていることかもしれない。

 野手としては12球団で最高額となる5億円の契約を交わしているメヒアが奮わなかった。7月下旬に怪我で戦列を離れて以降、最後まで本来の調子が上がらず、来日してから初めて規定打席到達を逃し、本塁打も自己ワーストの19本塁打と低迷した。ほとんどの選手が期待度以上の貢献度を示した一方で、メヒアのみ期待度を下回った。山川という新たな若手の大砲も頭角を現し、3年契約の2年目となる来シーズンは、巻き返しに期待したい。

 期待度を上回る貢献度をもっとも示したのが、巨人のマギーだ。4年ぶりの日本球界復帰となった今シーズンは、セ・リーグ記録となる48二塁打を放つなど、チーム三冠王となる活躍を見せた。また、守備でも三塁手だけでなく二塁手もこなし、打順でも2番を打つ時期があったなど、重量打線の起爆剤となった。今シーズン1億9300万円で始まったマギーだが、先の契約更改では年俸が約2億6600万円に達した。今回の12選手の中では期待度と貢献度の差が13.3%と最も大きく、最もコスパが高かった助っ人外国人選手だったといえるかもしれない。

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 助っ人外国人打者のコスパの考察を得点創出力の観点から試みた結果、コスパ最優良選手はマギーということになった。しかし、更新された年俸の上昇率をみると、マギーが約37.8%の上昇だったのに対し、オリックスのロメロが約186.5%とトップだった。個人的にはマギーの評価をもっと年俸に反映させてもいいのではないかと思ったが、年俸総額が35億を超える巨人と20億に満たないオリックスでは、こうした球団誤差が生じるもの無理はないかもしれない。

 来シーズンは、最高評価のロメロや優良助っ人のマギーやアマダーを超える選手が現れることを期待し、バレンティンとメヒアの復活に注目したい。

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