ほーりーの野球日記

ほーりーの野球観察日記

自分の観方で野球を紹介します

プロ5年目の楽天・内田靖人…そろそろ覚醒か!?

◆「山川にも負けない」と浅村が絶賛した未完の大砲

 楽天は19日、今月下旬に予定されている台湾遠征メンバーに参加する28選手を発表した。

 投手では松井裕樹岸孝之則本昂大といった主力投手のほか、先日発表された侍ジャパンのメンバーにも選出された森原康平、野手では主砲ウィーラーや昨シーズンの新人王に輝いた田中和基のほか、FAで加入した浅村栄斗、変則打法が話題のブラッシュ、辰己涼介や渡辺佳明などの新加入選手らが台湾入りする。

 こうした新生楽天の中で、今シーズンの覚醒が期待される和製大砲もメンバー入りした。昨シーズン、初の2桁本塁打を放ち、第2回WBSC U-23ワールドカップでは日本代表の4番として準優勝に貢献した内田靖人だ。

 浅村の加入に沸いたイーグルスだが、この男にも注目だ。なんでも、そのパワーは昨シーズンのパ・リーグ本塁打王に輝いた山川にも負けないという。なんといっても、その山川のかつてのチームメイトである浅村が言うのだから、そのパワーは本物なのだろう。

 

◆生え抜きの和製大砲が不在の楽天

 楽天にとって、待望の和製大砲として期待されるのが、この内田だ。

 楽天のシーズン本塁打数を打者別にランキング形式にまとめてみた。

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 1位は、2007年に43本を放ち、その年のパ・リーグ本塁打王に輝いた山崎武司だ。なお、山崎は2009年に39本で2位、2010年に28本で4位タイ、2008年に26本で8位タイに入るなど、チームの歴史の中でも代表的なパワーヒッターであるといえる。

 そのほか10傑の中には、今シーズンも楽天でプレーするウィーラー(2017年に31本で3位、2016年に27本で7位)、初の日本一に輝いたときの助っ人だったマギー(2013年に28本で4位タイ、)やジョーンズ(2013年に26本で8位タイ)、かつての主砲として活躍したペゲーロ(2017年に26本で8位タイ)やフェルナンデス(2008年に28本で4位タイ)が並ぶ。

 しかし、いずれのプロキャリアのスタートは他球団や他国であった。つまり、トップ10には生え抜きの日本人選手がいないのだ。

 生え抜きの日本人選手のランクインは、2018年に18本を放った田中和基が17位タイ、2017年に17本を放った茂木が19位タイまで下がる。田中も茂木もパンチ力があるとはいえ、大砲というには些か物足りない印象を受ける。そういう意味では、やはり楽天には生え抜きの和製大砲が不在なのだ。ちなみに、件の内田は12本で29位タイとなる。

 

◆近年の「高卒・右打者・パワーヒッター」はプロ3~4年目を境にブレイク

 今シーズンNPBに在籍し、内田同じく「高卒・右打者・パワーヒッター」の主な選手のブレイク年次をまとめてみた。

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 西武の中村剛也はプロ4年目に22本塁打を放ち、“おかわり君”の愛称が定着した。その後、これまでに6度の本塁打王に輝き、通算400号にあと15本に迫る385本塁打を記録。まさに、日本を代表するホームランバッターとなった。

 日本ハム中田翔はプロ4年目に初の規定打席に到達し、その年はリーグ3位となる18本塁打、91打点をマークした。その後、打点王にも2度輝いた。国際大会の経験も豊富で、日本代表の頼れる主砲だ。

 当時西武の浅村栄人は、プロ3年目に開幕スタメンを勝ち取るとそのまま規定打席に到達。内外野こなすユーティリティプレイヤーとして活躍した。その後、球団新記録となるシーズン127打点をマークした昨シーズンを含め、2度の打点王を獲得。今シーズンから楽天でプレーする。

 ヤクルトの山田哲人はプロ1年目のクライマックスシリーズで、史上初となる高卒でのスタメン出場を果たすと、3年目からはほぼレギュラーとして出場機会を増やした。4年目には日本人右打者のシーズン最多安打記録を更新する193安打をマーク。その後は3度のトリプルスリーを達成するなど、日本を代表する選手となった。

 巨人の岡本和真はプロ4年目の昨シーズン、開幕序盤から好調をキープすると、4番に定着した。その後、シーズン最終戦本塁打を放ち、最年少での「3割・30本塁打・100打点」を達成した。その年に開催された日米野球に選出され、メジャーの投手から本塁打を放った。今後の侍ジャパンの4番を期待される選手だ。

 プロ5年目を迎えた今シーズン、内田はブレイク射程圏内に突入している。これまでの傾向を見ても、今シーズン覚醒する可能性は大いにあるはずだ。

 

◆粗削りだが、長打力の片りんを見せた昨シーズン

 昨シーズンの内田は、チームの生え抜き選手では4人目となるシーズン2桁本塁打となる12本塁打を放つなど長打力の片りんを見せた。しかし、打率が2割を切るなど粗削りな部分があることもまた事実だ。

 確実性の底上げを図るか、長打力に磨きをかけるか…。

 内田にとって今シーズンは、打者として大きな分岐点となるのではないだろうか。

 

メキシコ戦は吉田と山岡の2人のオリ勢に注目

◆11人が初選出となった若手中心の代表チーム

 3月9・10日に行われるメキシコ代表との強化試合に臨むメンバーが発表されたとき、あっけにとられた。

 ほとんど年下ではないか…

 それもそのはず。若手選手を中心に28人が選出され、そのうち11人が初選出となった。

 今回のメキシコ戦は、プレミア12、東京五輪、第5回WBCと、これから毎年のように続く国際大会において、どの選手を起用するのか見極めるという意味で、非常に重要度の高い戦いになる。真のトップチームとして戦う大きな国際大会に向けて、若手選手の誰がその限られた枠に入り込むのかだろうか。勝ち負け以外にも注目すべき点は多い。

 その若手中心の代表チームの中で、今回は投打の注目選手をそれぞれ選出したい。

 

◆今代表チームの中で対外国人選手からの被打率がもっとも低い山本由伸

 まず、投手の注目選手はオリックスバッファローズの山本由伸だ。

 プロ2年目の昨シーズンはセットアッパーとして活躍し、NPBの10代投手では初めてのシーズン30ホールドポイントを達成。最終的にはリーグ2位の36ホールドポイントを記録した。

 代表初選出の山本だが、国際大会で力を発揮する可能性を感じさせるデータがある。それは、昨シーズンのNPB在籍の外国人選手との対戦打率だ。実は、昨シーズンの対外国人選手の被打率が.192と、今代表選手の中ではもっとも低い数値を示した。

 日本代表の次期中継ぎエースへの第一歩として、パワー自慢のメキシコ打線に最速154キロのストレートと140キロ後半のカットボールがどれほど通用するのか注目だ。

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◆打率、本塁打、打点ともに対外国人投手との対戦成績がトップの吉田正尚

 続いて、野手での注目選手には、山本と同じくオリックスでプレーする吉田正尚を挙げたい。

 ルーキーイヤーから出場機会をつかみ、3年連続の2桁本塁打を記録。プロ3年目の昨シーズンは初の全試合出場を果たし、26本塁打、86打点、打率.321の好成績を残しベストナインに選出された。

 吉田は昨シーズンのNPB在籍の外国人選手投手との対戦打率が.349と相性の良さを示した。さらに、6本塁打、21打点を記録し、打率、本塁打、打点の3項目は今チームでいずれもトップの成績だ。初選出ながら、今代表チームでは主軸の一人として期待されることだろう。

 一方で、昨シーズンの吉田は、ツーシームに対する得点貢献を示すwFTが-2.7を記録している。外国人投手が多投するツーシーム系のクセ球への対応が課題となるかもしれない。

 2016年に台湾で開催されたアジア・ウィンター・リーグでは最優秀打者に選ばれたが、トップチームでの代表選出は初めてとなる。小柄ながらパンチ力のある打撃が国際舞台でも発揮できるのか、あるいはクセ球に苦しむのか。この2試合は吉田にとって、今後の代表選考を左右される判断材料になるかもしれない。

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 メキシコ戦が行われる2試合は、両選手が本拠地とする京セラドームで行われる。

 代表デビューを果たす両選手にとって、そして地元ファンにとって、最高の舞台が整った。

 

 山本と吉田のほか、清宮や村上といった10代の選手も選ばれている。いずれも今回は初選出だが、近い将来は侍ジャパンの常連となるだろう。2009年の第2回WBC以来、世界一の座から遠ざかる日本代表が再び日本が世界一に輝くためには、若手選手の成長と経験が急務だ。

 メキシコ戦では山本と吉田をはじめ、初選出の選手に注目したい。

 

一塁中田、三塁近藤、左翼清宮、指名打者王…がベスト?

◆今シーズンも話題豊富なファイターズ

 毎年、ファイターズは話題に尽きない。

 今シーズンはドラフトで入団した“甲子園アベンジャーズ”、オリックスから獲得した金子(「弌大」という登録名でも話題になった)、そして台湾の“大王”・王柏融といった新加入の選手が多くの話題をさらう。

 

 ただ、新加入の選手がいるということは、必然的にポジション争いも激しくなる。

 今シーズンは恐らく、王の打順やポジションを巡って選手起用が活発になることだろう。特に、王が主戦場とする外野、その外野の一角を担いながら内野手として出場機会を狙う清宮や大田などが議論の対象となるはずだ。

 

 そこで、今回は競争が激化されると思われる外野手・一塁手三塁手指名打者の中で、それぞれどの選手をどこで起用するか、個人的にもっともベストだと思う布陣を考えたい。

 

◆ポジション選考にはUZRを採用

 ポジションを考える中で採用したい特性は、守備全般での貢献度を示すUZRだ。

 UZRとは、打球を位置、種類、速度ごとに細分化したうえで、守備者のプレーが失点抑止にもたらした影響をプレーごとに計測し、同じ守備位置の平均と比較して得点化した守備指標…。

 説明が難しいが、要するに、守備力による貢献度を数値化したものだ。客観的な選出基準のないゴールデングラブ賞よりも選手が持つ守備力を明確化できるのが、この指標の利点だ。

 

◆一塁守備に安定感のある中田翔

 一塁手は、三度のゴールデングラブ賞を受賞した実績もあるなど守備でも評価の高い中田を推したい。

 2012年にリーグトップの19補殺を記録したこともあるなどから、外野手に再コンバートされる可能性も考えた。しかし、UZRが外野手としてはマイナス、一塁手としてプラスを記録したこともあり、一塁手としての起用が最適なように思われる。

 

◆三塁守備が高水準の近藤、12球団トップクラスの外野手となった大田

 三塁手は主砲のレアードが退団したこともあり、もっとも悩ましいポジションだろう。今シーズンは、いずれも三塁手としては数年間のブランクを抱える大田と近藤がレギュラー争い中だ。

 ここでは三塁手には近藤を推したい。近藤には2014年に三塁手の経験があり、その年のUZRは500イニング以上の守備機会があった選手の中では12球団でトップだった。

 一方、大田は昨シーズン、右翼手としてUZR13.3を記録し、これは全外野手の中でも2位だった。外野手としての守備力が12球団でもトップクラスであることからも、太田は三塁手よりも外野手としてプレーする方が貢献度は高いようにも思われる。

 強打の両選手を共存させるためには、三塁・近藤、右翼・大田がベストではないだろうか。

 

◆外野守備に不安を抱える王

 左翼手には、清宮を推したい。王は台湾球界では3年連続ゴールデングラブ賞した実績を持つが、前所属のLamigoの洪一中監督によると「守備と送球に課題がある」といい、台湾球界のOBや専門家たちの間でもその守備力が疑問視されてきたという。まだ日本での実績に乏しいが、外野手としての起用は慎重になるように思われる。

 

◆清宮の外野手挑戦は、日本プロ野球の未来のため

 清宮の外野挑戦は、ある意味では将来の日本球界のためであるようにも考えられる。

 複数のポジションを守れるということは一人のプレーヤーとして決してマイナスに働くことはない。むしろ、国際大会ではそういった選手が重宝される。

 前回のWBCでは主力を務めた筒香、秋山がメジャー挑戦の意志があることを表明した。こうしたことを踏まえても、清宮の外野手としての成長は、打撃技術の向上と同等に高い重症度を持つ。

 同じチームの中田がそうであったように、まずは外野手として出場機会を多く得ながら打力を磨いていくことが望ましいのではないだろうか。

 

 ここまでの実戦では、中田の肉離れによる離脱もあり、一塁・清宮、左翼・王という布陣が多く採用されている。

 3月29日の札幌ドームには誰がどのポジションについているだろうか。

 現時点では、肉離れにより離脱中の中田が心配だ。

 できればケガによる離脱者を抱える中でのベストメンバーではなく、真のベストメンバーを見て、その答え合わせをしたい。

 

阪神の守護神には桑原を推したい

阪神の守護神に、藤川が帰ってくる!?

 阪神の守護神候補に、藤川球児が名乗りを上げた。

 代名詞となる“火の玉ストレート”を武器に通算225セーブを記録した藤川の守護神争いへの参戦は、今年のキャンプの目玉の一つとなっている。

 ここ数年の阪神の守護神といえば、2017年にセーブ王に輝くなど2年連続30セーブ以上をマークするドリスがいるため、藤川はドリスとの競争となる。

 では、ドリスと藤川では、どちらが守護神として相応しい活躍が見込めるだろうか。あるいは、別の適任者がいるのではないか(タイトルばれ)。昨シーズンの成績から検証したいと思う。

 

◆守護神に必要な4つの要素

 チームの勝利に直結する9回のマウンドに立つ投手として求められる資質から考えたい。

 シンプルに考えると、「一点を取られる可能性が限りなく低い」ということだが、どのようなポイントに着目すれば、その投手が導き出せるのか。

 今回は、1イニングあたりに出す走者の数「WHIP」、四球を与えるまでに奪う三振の数を表す「K/BB」、ひとつのフライにつきいくつのゴロを打たせる(つまり、ホームラン性の打球を打たれにくい)のかを表す「GB/FB」、出塁させた走者の非帰還率を表す「LOB%」の4項目から考えたい。

 

◆衰えを隠し切れない藤川…ドリスがやはり優勢か

 さっそく、ドリスと藤川の昨シーズンの成績から、どちらが抑えに適任か比較する。

 WHIPとLOB%ではほぼ同等だが、K/BBとGB/FBで藤川を上回るドリスが適任のように思われる。

 

 特に、ここ数年の藤川は、K/BBの低下が著しい。

 通常3.50以上を記録すると優秀といわれるK/BBを、当時のシーズン最多登板記録を更新する80試合に登板した2005年には6.95を記録した。それ以降、メジャーリーグに挑戦するシーズンまで3.50を下回ることはなかった。

 だが、日本球界復帰後の3シーズンでは全て3点台を下回っている。全盛期の藤川を知る者としては非常に残念ではあるが、現在38歳という年齢を考えると、それも仕方のないことかもしれない。

 

◆実は一番の適任者? クセ玉が武器の桑原謙太朗

 というわけで、2017年のセーブ王で、昨シーズンも32セーブを挙げたドリスが今シーズンも守護神候補の筆頭である……

 ということで話を終えようと思ったのだが、データを見ていくと、もうひとり、守護神候補として推薦したい投手が出てきた。

 

 それは、2年連続でチーム最多ホールドを記録した桑原謙太朗だ。

 

 もう一度4項目を振り返り、ドリスや藤川の数値と桑原を比較してみる。

 GB/FBではドリスが優位であるものの、それ以外の数値はいずれも両投手を上回っている。とりわけ、LOB%とK/BBは目を見張るものがある。特に、昨シーズンの記録した5.42というK/BBは、50イニング以上に登板したセ・リーグ投手の中でトップだった。

 スリークォーターの変則的なフォームから繰り出されるクセのあるストレートも魅力的だ。本質的に打ちづらさを感じさせるフォームや球筋は、短いイニングを任される投手としては大きな武器となる。

 

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 決して順風満帆ではなかった桑原が一軍に定着したのは2017年、当時の金本知憲監督が自身の現役時代に苦手にしていた投手の1人であったとして、その年のオープン戦より積極的に桑原を起用したことで才能を開花させた。

 今シーズンからは矢野燿大監督に代わったが、恐らく矢野監督の構想の中にも、勝利の方程式の一員として桑原の名前が挙がっていることだろう。

 ここはひとつ、「守護神・桑原謙太朗」という新たな勝利パターンがあっても面白いかもしれない。

 

高卒ルーキーの最速一軍デビュー予想

◆野球エリートの称号を得た6人の新人選手

 ドラフト1位の高卒新人―。

 これ以上に野球エリート感のある言葉はない。

 今年は、小園海斗(報徳⇒広島)、根尾昂(大阪桐蔭⇒中日)、吉田輝星(金足農⇒日ハム)、太田椋(天理⇒オリックス)、藤原恭大(大阪桐蔭⇒ロッテ)の6選手が、野球エリートとしてプロへの道を歩みだした。

 2月1日から一斉にキャンプインすると、各新人選手の話題が続々と届く。順調な仕上がりを見せる選手、思うような調整を進められない選手がいるが、いずれも、これからの日本球界を代表する選手となってくれる逸材であることは間違いない。

 そんな野球エリートの中で、もっとも早く一軍デビューを果たすのはどの選手なのか、それを予想してみたい。

 

◆正遊撃手の田中の壁が厚すぎる小園海斗

 高卒野手としては27年ぶり一軍キャンプスタートとなった小園は、遊撃手を本職とする。

 そんな小園の最大のライバルは正遊撃手の田中広輔だ。昨シーズン、初のゴールデングラブ賞を受賞した堅い守りに加え、主に一番打者としてここまで3年連続フルイニング出場を果たした田中は、まさにチームの顔ともいえる選手だ。不測の事態がない限りは、今シーズンも田中が正遊撃手を務めることになるだろう。

 若手選手を二軍でじっくり鍛え上げるチーム方針を考えると、一軍デビューを果たすのは少し先になるかもしれない。

 

◆立浪とは違う?調整遅れを取り戻すことが急務の根尾昂

 小園と同じく遊撃手を本職とする根尾もまた、同じチームの正遊撃手である京田陽太がライバルとなる。2017年のセ・リーグ新人王を獲得した京田は、プロ2年目の昨シーズンは全試合出場を果たし、守備率は12球団トップをマークした。

 中日の高卒ショートと聞くと、OBの立浪和義を思い浮かべる。前年まで正遊撃手を務めた宇野から開幕遊撃手を勝ち取った立浪は、そのままレギュラーに定着するとその年の新人王を受賞した。ただ、その時期の宇野は、選手としてベテランの域に達しており、守備では立浪に劣っていたことが背景にある。

 まだ若手の京田が、守備力を理由に根尾にポジションを譲るとは考えにくい。

 まずは肉離れによる調整遅れを取り戻し、実戦デビューを目指したい。

 

ダルビッシュ、大谷ルートでエースを目指す吉田輝星

 今シーズンのファイターズの先発投手は、今シーズンの開幕投手に指名された上沢、昨シーズン来日1年目で10勝をマークしたマルティネスといった2人の2桁勝利投手のほか、2017年開幕投手の有原、オリックスから移籍した金子が柱となるだろう。本格右腕が充実するチームにおいて、開幕直後から先発として機会を勝ち取ることは、そう多くないように思われる。

 ダルビッシュや大谷(投手として)など、近年のエースがそうであったように、まずは二軍でスタートし、交流戦の時期を目途とした一軍昇格が予想される。

 

◆大穴か? 貧打オリックス待望の大型新人・太田椋

 オリックスの遊撃手は、12球団でも屈指の守備力を誇る安達了一、そのほかにも、大城や福田、山足といった若手のユーティリティプレイヤーが多く在籍する。小園、根尾と同様に高い守備力を求められるポジションを本職とするだけに、一軍デビューは簡単ではないように思われる。

 だが、小園や根尾よりも早く一軍デビューするのは、この太田ではないかと個人的には予想している。というのも、小園が所属する広島、根尾が所属する中日のチーム打率はそれぞれリーグ2位、3位と上位につけているのに対し、太田が所属するオリックスはリーグ5位に沈むなど、打線に課題が見受けられるからだ。

 高校通算31本塁打を放った思いきりのいい打撃をプロでも十分に発揮できれば、遊撃手というポジションでなくとも一軍デビューの機会が得られるかもしれない。

 

◆名実ともに存在感を放つ藤原恭大が、最速一軍デビューの筆頭候補

 外野手の藤原は、角中や荻野、清田など実績のある選手のほか、外野手挑戦中の平沢、昨シーズン途中加入の岡、スイッチヒッターの加藤などとレギュラーを争う。ここ数年、外野の不動のレギュラーを欠いているチーム状況の中、ここまでの藤原は話題性のみならず、実戦の中で猛打賞や盗塁を記録するなど、打撃や走塁でもその存在感を発揮している。

 キャンプでの仕上がりを見るかぎり、もっとも早い一軍デビューは藤原ではないだろうか。就任以来、走塁改革を掲げる井口監督の理想とするプレースタイルにも近い藤原が、一軍デビューどころかレギュラーの筆頭候補となる可能性は十分にある。実戦成績やチーム事情から、この藤原が一軍デビューの一番乗りだと予想する。

 

◆オープン戦、出場選手登録名簿公示、開幕戦…答え合わせは初出場の瞬間に

 以上の予想は、これまでのキャンプ情報や昨シーズンまでのチーム状況をふまえたものである。

 結局のところ、オープン戦での成績や開幕後のチーム事情により状況は変わるし、そんな予想はほぼ意味をなさないことは百も承知だ。

 ただ、クレイ・シャーキー先生は言う。

「思考の剰余が世界を変える」

 使い方は合っていないけど、趣きのある言葉だ。

 

 

井口ロッテのキープレーヤー、藤岡裕大

  昨シーズンの新人王は中日の京田、西武の源田とそれぞれショートを主戦場とする選手だった。各球団若手のショートの台頭が目立つが、今シーズンも新たな注目株が登場した。ロッテの藤岡裕大だ。

 藤岡は亜細亜大学時代、1年春からリーグ戦出場し6度のリーグ優勝と3度の日本代表を経験した。トヨタ自動車では16年の都市対抗優勝に貢献し、翌年のドラフトでロッテから2位指名を受けて入団した。開幕戦では2番ショートでプロ初スタメン初出場を果たすと、8月21日には球団史上9人目となる新人100安打を達成するなど、ここまでルーキーながら全試合出場を続け、2番ショートに定着している。

 

◆藤岡のプレースタイルは井口監督の理想像

 藤岡のここまでの活躍で突出した点は、バントと走塁能力だ。

 犠打数は24、走塁で得点を生み出したかを表すUBRは4.1と、この2つでここまで12球団トップを記録している(8月25日時点)。井口監督就任一年目の今シーズンはここまで、昨シーズンのロッテと比べて犠打や盗塁を多用している。細かなプレースタイルを得意とする藤岡が2番打者に定着したことは、攻撃面において大きな変化をもたらした。

 

◆藤岡効果? ロッテの得点能力が急上昇

 ここまでのロッテは1番荻野、2番藤岡、3番中村、4番井上という布陣を多く採用している。リーグ5位の20盗塁を記録する荻野と28盗塁で同3位の中村の間に藤岡を挟み、走塁能力の高い選手を上位打線に置くのが今シーズンのロッテの特徴だ。

 ロッテは浜風の影響を大きく受ける球場を本拠地にしていることもあり、慢性的な本塁打不足に悩まされてきた。今シーズンもチーム本塁打数は52と12球団最下位だ。しかし、チーム打点が423で1本塁打あたりの得点は12球団トップの8.13点と、効率のいい得点の取り方ができている。なお、同じくチーム本塁打数が最下位だった昨シーズンは、チーム本塁打95本に対し455打点で1本塁打あたり4.79点だった。

 

◆藤岡の登場が井口ロッテの完成を大きく前進させた

 本塁打に頼らないが確実に得点を挙げる攻撃的スモールベースボールというのが今シーズンのロッテの特徴だ。それを実現させているのは、機動力を主体とする井口監督の期待に応える荻野と中村といった既存戦力だけでなく、12球団屈指の高い走塁技術と犠打を武器とする藤岡といった新戦力の台頭も大きいだろう。

 

 ロッテはここまでクライマックスシリーズ進出まであと一歩及ばない4位という位置にいる。シーズンが終盤に差し掛かりつつあるこの時期、ロッテの終盤の戦い方に注目だ。しかし、ロッテのこの先数年間を占うかもしれない逸材である藤岡の働きにも目が離せない。

 

最優良助っ人外国人打者

  ペナントレースの全日程を終え、次々と契約更改のニュースが届く。ブレイクを果たし何倍もの年俸で更改し麗らかな春を待つ若手選手、全盛期のようなパフォーマンスを発揮できずに寂しい冬を送るベテラン選手、それぞれが今年の成績を金額で評価されるという点では、プロ野球選手も私たちと同じサラリーマンなのだなぁと思わされる。

 外国人選手も例外ではない。異国の地で「助っ人」という立場でプレーする彼らにとってはその一年の重みが変わってくるし、球団側もコストに見合った活躍を求める。その意味では、日本人選手よりもシビアな評価を受けざるを得ないのかもしれない。

 そこで今回は、300打席以上に立った14人の助っ人外国人打者を年俸という観点から評価し、それぞれの今シーズンの成績が年俸と比較してコスパが高かったのか、あるいは低かったのかを見ていく。これにより、今シーズンの助っ人外国人打者の成績をおさらいするとともに、少し違った助っ人外国人選手の見方を提供できれば幸いである。

 

◆打撃成績のコスパが高かったのは、楽天のアマダー

 一般的に、選手のコスパを知る手がかりとして、年俸を塁打数で割ることで、一塁打あたりいくらの金額がかかっているのかを知るという方法がある。それによって暫定的に算出されたコスパの高い選手は以下の通り、楽天のアマダーということになる。

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 来日一年目のオープン戦での怪我により39試合の出場だった昨シーズンのこともあり、今シーズンは助っ人外国人打者にしては低額な3000万円という年俸からのスタートとなったアマダーだったが、23本塁打を含む177塁打を記録し、楽天クライマックスシリーズの進出に貢献した。一塁打あたり約169万円と、年俸5億円ながら怪我で158塁打に留まったメヒアの約19分の1の金額に収まった。しかし、今シーズンは前述したとおりの活躍を見せ、来シーズンの契約延長、年俸は倍増の6000万円でサインした。

 アマダーほか、コスパの高かった選手はペゲーロの約374万円、ウィーラーの375万円と、同じく楽天の選手で上位を占めた。両選手はそれぞれ26本塁打、31本塁打と、アマダーとともに史上初の助っ人外国人選手による20トリオを結成する活躍をみせた。年俸もそれぞれ先の契約更改で2億円に達し、来シーズンは20発トリオに更なる期待がかかる。

 

◆助っ人外国人選手の期待度と貢献度

 しかし、「助っ人」というからには、その選手の活躍がチームの勝利につながっていないと、本当の意味で「助っ人」と呼ぶには忍びない。そこで試みるのが、チーム内での活躍度が年俸とどのように関係しているかを見る「年俸・得点創出比」という観点だ。ある選手がチームの全選手の年俸の何割を占めているかというのがその選手に対する期待度の高さを表すとした場合、実際にどれほどチームに貢献しその期待度を充足させているのか、それを見ていくことにする。

 ここでいう「期待度」とは「個人年俸/チーム総年俸」のことであり、「貢献度」とは「個人RC/チーム総得点」である。たとえば、総年俸が10億円のチームに所属する助っ人外国人選手の年俸が1億円だったとしたら、その選手の期待度は10%であり、そのチームの総得点が1000点でその選手のRCが100だったとしたら、その選手の貢献度は10%である。それぞれの差はプラスマイナスゼロであり、つまりその選手は期待度と同等の貢献度を示したことになる。もし貢献度が期待度を上回ればコスパがその分だけコスパが高く、下回れば低いことを意味する。もちろん、場面の重要度や試合以外での役割など、選手の評価対象は多岐にわたるのだが、ここでは勝利=得点の上積みと設定し、得点創出能力を示すRCを基準とすることで簡易的にコスパを評価する。

 

コスパ最良選手は、マギー

 それを表したのが、次の表だ。先ほどの楽天の20発トリオを見ると、どの選手も期待度を上回る活躍を示していることがわかる。アマダーは元々の期待値が高くなかったこともあり一塁打あたりのコスパは高かったが、期待度と貢献度の差でみればウィーラーのほうが高いコスパを残した選手として評価できるかもしれない。

 ロペス、バレンティン、レアードの3選手は期待度と貢献度の差が少なく、ほぼ期待通りの活躍をしているといえるかもしれない。最多安打打点王のタイトルを獲得し、ベストナインゴールデングラブ賞にも選ばれたロペスの年俸は推定2億3000万円であるが、ロペス自身にも球団にとっても円満な契約を交わせていることを表しているかもしれない。

 バレンティン、レアードは今シーズン、それぞれの所属チームが下位に低迷したが、それでもチームの求める期待度には達しており、助っ人外国人選手として最低限の仕事は果たせた。しかし、2年契約だったレアードは年俸が変わらない一方で、バレンティンは3000万円のマイナスとなる3億3000万円で更新した。もしかすると今頃、レアードは今シーズンの成績を振り返って冷や汗をかいていることかもしれない。

 野手としては12球団で最高額となる5億円の契約を交わしているメヒアが奮わなかった。7月下旬に怪我で戦列を離れて以降、最後まで本来の調子が上がらず、来日してから初めて規定打席到達を逃し、本塁打も自己ワーストの19本塁打と低迷した。ほとんどの選手が期待度以上の貢献度を示した一方で、メヒアのみ期待度を下回った。山川という新たな若手の大砲も頭角を現し、3年契約の2年目となる来シーズンは、巻き返しに期待したい。

 期待度を上回る貢献度をもっとも示したのが、巨人のマギーだ。4年ぶりの日本球界復帰となった今シーズンは、セ・リーグ記録となる48二塁打を放つなど、チーム三冠王となる活躍を見せた。また、守備でも三塁手だけでなく二塁手もこなし、打順でも2番を打つ時期があったなど、重量打線の起爆剤となった。今シーズン1億9300万円で始まったマギーだが、先の契約更改では年俸が約2億6600万円に達した。今回の12選手の中では期待度と貢献度の差が13.3%と最も大きく、最もコスパが高かった助っ人外国人選手だったといえるかもしれない。

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 助っ人外国人打者のコスパの考察を得点創出力の観点から試みた結果、コスパ最優良選手はマギーということになった。しかし、更新された年俸の上昇率をみると、マギーが約37.8%の上昇だったのに対し、オリックスのロメロが約186.5%とトップだった。個人的にはマギーの評価をもっと年俸に反映させてもいいのではないかと思ったが、年俸総額が35億を超える巨人と20億に満たないオリックスでは、こうした球団誤差が生じるもの無理はないかもしれない。

 来シーズンは、最高評価のロメロや優良助っ人のマギーやアマダーを超える選手が現れることを期待し、バレンティンとメヒアの復活に注目したい。

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